webサイトとは何か。
人はこの質問に対していろいろな答えを出すだろう。
「芸術だ」
「単なるツールだ」
「営業マンの代わりだ」
Nintendo Switchとは何か。
人はこの質問に対していろいろな答えを出すだろう。
「Wii Uという母が産んだ成功だ」
「Game Padの失敗を恐れなかった勇気の証だ」
「スプラトゥーン2万歳」
Nintendo Switchのwebサイトとは何か。
これだ。
2017年1月当時のサイト。
https://web.archive.org/web/20170113051419/https://www.nintendo.co.jp/hardware/switch/index.html
私は当時このサイトに魅せられてしまった。
今回はこのサイトをただただ褒めようと思う。
目次
外でも家でも、皆で楽しく、1人でじっくり、ゲーマーも、黒ひげの様なちょっとしたおもちゃとしても、そんないろいろなシーンで楽しめることを伝えてくれるビジュアルをテンポよく表示し、下にスクロールさせなくても購買意欲を掻き立てられる素晴らしいファーストビュー。
その購買意欲バリバリの状態に発売日、予約日の情報。もう予約ボタンなんかなくてもAmazonを開いてしまう、人を動かす力を持っている。
また、画像と赤背景の表示時間が、赤のほうが短く設定されているところも憎い。細部にまでこだわっていることがわかる。
ファーストビューの楽しいカラフルなイメージから一転、シックなトーンの服を来た男性が、ホームシアターな環境でゲームにのめり込んでいる様子が現れる。
…と説明したが、のめり込んでいるかどうかは顔が移っていないため、表情ではわからないのだ。
それでも伝わる、きっと『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の世界に吸い込まれているであろう、この画像。
サイトのために、そしてその先の目的のために、圧倒的な写真撮影から行っていることが覗える。
そして、男性の手元に注目して頂きたい。おそらく一般的なPOPなカラーのSwitchのイメージとは違い、『グレー』のJoy-Conが使われている。発売当初のカラー展開である『ネオンブルー・ネオンレッド』『グレー』の2パターンをファーストビューとセカンドビューで見事に表現している。
ここ画像はヘビーな層”ゲーマー”にアピールすべく、ぜひProコントローラーを使って欲しかったが『Joy-Conを本体から取り外し、グリップに差し込む』という特徴をアピールすること、何も言わなくても買うゲーマーよりも、もう少しだけライトな層を狙うことを優先したのだろう。こうした判断も素晴らしい。
パララックスと聞くと、心でこうつぶやく人は、少なくないはずだ。
「パララックスか…。」
それは流行り廃り、技術的・デザイン面でのめんどくささ、費用対効果など、様々な角度からの思いだと思う。
私も一時期「あれ流行は失敗だった」と思っていた。
しかし、Swicthのサイトはどうだろうか。
パララックスの代名詞と言っても良い大胆な画像の使い方、そして程よいアニメーションで上手く目線を誘導し、フラットデザインの物足りなさを払拭している。目線を誘導された先には”強い”画像があるのだから、効果は倍増だ。
また、今までのよくあるフラットデザインは、アップル社に習ったハイエンドなイメージの、細い線、細いフォントであることが多かったが、その憧れや風習に引っ張られずに『Nintendoのゲーム』という”老若男女”感、モダンさを出している。
web制作の現場では『ブランディング用サイト』『集客サイト』『ECサイト』等と大きな切り方をしてしまいがちだ。
その方が先輩も後輩に教えやすいし、書籍も充実していて効率よく良いサイトが作れる。
それも大事なことだが、お客様の求めるものをもっと遠くから多角的に見て、その目的を達成する手段の1部がサイトであることを、意識したいなと感じた。
それはこのサイト を改めて見たときに、「目的・仕様を聞いてwebデザイナーが構築する」だけではなく、商品設計、デザイン、ブランディングやマーケティングなどいろいろな分野のプロの仕事が垣間見えたからだ。
もっと書きたいことがある。そしてもっと詳細に解説したいがそれは不可能なのだ。なぜならSwitchが僕を呼んでいるからだ。
機会があれば今回の様な褒めちぎるシリーズを書いて、プロの仕事を肌で感じたいとおもう。